2022年11月、国際的科学ジャーナル「 Nature Sustainability 」の「多年生イネの持続的な生産性と可能性(Sustained productivity and agronomic potential of perennial rice)」は、中国の研究者が雲南省で多年生イネの育種と強化に成功したことを詳しく説明しています。このイネは、すでに東南アジアとアフリカの一部の地域で栽培されています。

米国のラカンザス州サライナにある非営利団体である土地研究所は、多年生作物の推進を主導し、この雲南大学での多年生イネの研究にも財政的支援を提供しています。

「これは本当に大きなことです。 これは農業に対する私たちの考え方の変化です」と、イリノイ大学の植物遺伝学者で、中国の科学者と協力して新しい研究を共同執筆したエリック・サックスは言っています。

「サックスを含む一部の研究者にとって、中国の米の品種は、今日の主要な作物に代わる多年生の代替品を作ることが可能であることを示しています. 毎年植え替えが必要な小麦、米、とうもろこしは、何世紀にもわたって人類を養ってきましたが、それらを育てることは環境に大きな負担を強いています。 農家は通常、土壌を耕して作付けのために畑を片付けますが、これにより土壌が劣化し、水や風食にさらされます。」とも述べています。

神奈川県相模原市の小川誠さんは、その著書「稲の多年草化栽培」(出版社:地湧の杜)で、「私の不耕起・冬期湛水の田んぼでは、稲がぽつりぽつりと多年化するようになって、2015年には一枚の小さな田んぼではごそっと大量に稲が多年草化してしまった。」と体験を語り、以来研究を続け、収量を確保できる栽培方法を確立。すべての生き物との共生を目指して、「稲の多年草化栽培」研修会を開催しています。