「農業というと他の産業よりも環境に優しいイメージがあったが、実は有史以来自然を最も破壊した産業はこの農業だった。土壌は有限の資源であり、消失速度が生成速度を上回れば、いずれ土壌は枯渇し、その文明は消え去る運命になる。」(土の文明史、ディビッド・モントゴメリー、築地書館)

今日の農業は、より高い作物生産性、水・肥料・殺虫剤の使用を減らす、河川や地下水への化学物質の流出を最小にする、営農作業の安全性の向上を図る、営農の効率の向上とコストを低減する、より安全な生育条件とより安全な食品を提供する、環境および生態系への影響の低減を図る、そして自然生態系への影響の軽減することが求められています。

その取り組みの一つである「再生農業」は、土壌の健康と肥沃性を向上させ、生物多様性を高め、生態系サービスを回復することを重視する農業生産システムのことです。劣化した土地を再生し、より持続可能で強靭な農業システムを作ることが目的です。

人間は、過去250年余りにわたって農地から工場へ、そして工場から事務室へと仕事場を移してきました。近代以前は人間の資産は肉体労働力だったのが、近代に入ってからは知識労働力に取って代わられてきました。

今日の工場や事務室では、最先端の様々な技術とその製品、とりわけエレクトロニクス、コンピューター、通信、情報処理、人工知能などの技術(テクノロジー)を駆使しています。この最先端のテクノロジーとそれを利用する知識や知恵を、現代の農業とその再生に役立てないかを追求しています。

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